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2021-09-28

カビが生えた家・・・

 

こんにちは、井上です。

 

今回はちょっと、あえて理屈っぽく、まじめな話をしたいと思います。

長くなりますので、興味がある方だけお読みください。

 

 

実は最近、当社のYOUTUBEチャンネルのほうに、あるコメントが入りました。

 

「こちらの方が壁内結露でカビが生えています。なにが原因だとみられますか?」

ある動画のURLを添えて、こんなコメントが届いたのです。

 

何のことかと、そのURLを開いて動画を見てみると、そこには衝撃的な映像が流れていました。

家中(外壁面)にカビが生え、施工会社に訴えても、施主の生活スタイルを理由に取り合ってもらえないと…。

 

壁(プラスターボード)を開いて、壁の中も撮影されていましたが、予想通りの事態が。。。

 

非常に残念ですが、結露を起こして当然の施工がされており、明らかに施工者の理解不足というか、施工不良というか、何というか、、、。

それにもかかわらず、生活スタイルが悪いとか、換気が足りていないという理由で、まったく対策を講じてくれないという、そのお家に住まわれている方からの悲痛な叫びが伝わってくる動画でした。

 

 

ちょうど同じ時期に、当社のオーナー様の定期点検に伺ったスタッフから聞いた話です。

 

そのオーナー様のご友人が、ある建築会社で新築を建てて、引渡しを受けて数か月目から室内にカビが生えてきたと。

前述の動画の方と同様に、建築会社に問い合わせても、施工不良が原因ではないと相手にされず、とても困っていると。

 

想像ではありますが、おそらくこの方のカビの原因も壁内結露であろうことは間違いありません。

 

 

この数日の間に、壁内結露による室内壁のカビの発生の話を立て続けに見聞きしてしまったので、

なんだか、我々が知らないだけで、実は壁内結露で悩んでいる方は、もっとたくさんいるのではないかと心配になります。

 

同時に、結露という現象のメカニズムを知ってか知らずか、壁内結露が起きて当然と言わんばかりの構造で、平気で建築を行っている同業者がまだまだたくさんあることに怒りすら感じます。

 

まして、建物の快適性や高気密高断熱、全館空調を売りにしながら、結露対策は何も講じないなんて、本末転倒のような気がしてなりません。なぜなら、壁内結露が起きている時点で、家の断熱性はどんどん低下していくわけですから…。

 

しかも、明らかに壁内結露が原因であるにもかかわらず、お客様の生活スタイルに原因をすり替えて、誠意を持った対応すらしないなんて・・・

 

 

でも、これが現実なのかもしれません。

お客様にとっては、家づくりを検討する際に「壁内結露」なんて全く興味がないでしょうし、それを見極める経験も知識もない。

 

壁内結露より、デザインの話や、間取りの話をしたほうが、そりゃ楽しいに決まってます(笑)

 

たとえ少しだけ興味があっても、営業マンや建築会社の人が「大丈夫です」と自信満々に言ってくれさえすれば、大丈夫だと思うに決まっています。

もちろん、きっとその営業マンにも悪意はありません。なぜなら、きっと結露なんてどうして発生するのか知らないのですから。

 

おそらく、結露のメカニズムを知っている人であれば、詳しく(しつこく?)説明してくれるはずです。私たちのように…(笑)

 

 

では、少しだけ・・・

 

壁内結露というのは、起きるべくして起きる物理現象です。

夏になれば冷房をかけ、冬になれば暖房を掛ける。という、普通の生活をしている限り、外気との温度差が生まれれば、必ず発生するものです。

 

グラスに冷たいお水をいれたらグラスの外に水滴が発生する、という現象と全く同じメカニズムで壁内結露も起きるわけです。

ただ、お家の場合には、その壁内結露を起こさせないように、もしくはなるべく抑制させるように施工することは可能です。

 

知っている人からすれば当たり前なんですが、建築に携わっている方(設計士、大工さん、現場監督などなど)でも、実はその当たり前を知らないケースは珍しくありません。

 

もちろん、壁内結露を未然に防ぐ方法は、当社だけが知っていることではないですし、リグスタイルで建てないと壁内結露は防げないなんてことはありません。

 

ただ、どんなかっこいいお家も、どんなオシャレなお家も、どんなにお金をかけたお家も、どんなに性能数値が高いお家であっても、壁内結露が起きるように施工されていれば、必ず起きます。そして、家の中も、家の外にも、カビや藻が生えてきます。

 

また、断熱性能数値(Ua値)では、壁内結露対策は測れません。

そして、断熱材そのものでは、壁内結露対策は語れません。

 

どんな断熱材を、どのように施工するのか?

ここが大切なのです。

 

なかなか言葉で伝えるのは難しいことですし、ご理解に苦しむところかもしれません。

もちろん、本来はお客様が見極めるべきことでもありません。当たり前のように施工会社が知っていて当たり前のことなんです。

 

でも、今回目の当たりにしたケースをはじめ、おそらく全国には何件も壁内結露で悩んでいるお客様がたくさんいるのも事実だと思います。

 

つまり、住宅会社に任せておけば大丈夫・・・とは言い切れない、ということです。

もちろん、私のことも疑ってもらって大丈夫です(笑)

 

人生をかけて、住宅ローンという大金を借りて、家族の幸せのために建てるマイホームです。

本望ではありませんが、絶対に失敗しないためにも、もしかすると、デザインや間取りとかだけじゃなく、構造や性能についても、お客様のほうで勉強しなければならない時代になっているのかもしれません。

 

ただただ、壁内結露という、施工において簡単に対策ができるようなことで、後から後悔される方が少しでも減りますことを、心から願っています。

 

もしこの壁内結露という事象にご興味がある方は、簡単に解説した動画がありますので、そちらもご覧になってみてください。

 

岐阜市を中心に、高気密高断熱とパッシブデザインで、注文住宅、新築一戸建てを手掛ける、LIG STYLE COMPANY(リグスタイルカンパニー)の井上でした!

 

 

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